統合型リゾート(IR)とは?カジノ法案(統合型リゾート(IR)整備推進法案)の概要
カジノ法案(統合型リゾート(IR)整備推進法案)とは、簡単に言うと「日本にもこれからカジノを含む統合型リゾート(IR)施設を作っていきましょう」という法律のことです。
正式名称を「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」と言います。
IRとは「Integrated Resort」の略であり、「統合型リゾート施設」を意味します。
よく「IR=カジノ」と認識している人もいますが、正確には、
カジノ/MICE施設(国会議事堂 / 展示施設など)/ホテル/劇場/映画館/アミューズメントパーク/ショッピングモール/レストラン/スポーツ施設/温浴施設などを含む、複合型の大型施設を指します。
カジノ法案と呼ばれていますが、目的はカジノを解禁する/カジノを作るための法律ではありません。
本当の目的は、IR(統合型リゾート)を作って観光客を集めることです。
IRにはカジノ施設が含まれているから、適切に管理・運営しようということです。
実際にカジノはあくまでこの法案の一部分でしかありません。
IR推進法案では「カジノクラブの面積は全体の3%まで」という規定が設けられているため、カジノはあくまで統合型リゾートの1区画に含むだけです。
カジノを含むことで「大人の遊び場」というイメージがありますが、実際には年齢を問わず、老若男女が楽しめるまさに「リゾート地」なのです。
もちろんカジノはIRにとって重要な収益施設であるので必要不可欠であり、カジノを目的に訪れる人は非常に多いです。
しかし、単純に宿泊をしたり、娯楽を楽しんだりするために訪れる人もたくさんいるのも事実です。
統合型リゾート(IR)のメリット
①経済効果
統合型リゾート施設の開設の最大の目的は外国人観光客を集客させ、観光収入を増加させることです。
そして日本経済を活性化させることです。
日本への海外からの観光客は増加傾向にあり、中国人観光客の「爆買い」をはじめ、外国人観光客の経済効果は非常に高いものです。
外国人観光客に日本に来てもらい、お金を使ってもらうインバウンド効果を更に上げる為に日本政府は「統合型リゾート施設」を考え、それを建設するためにカジノ法案を可決したのです。
事実、統合型リゾート施設はたくさんの観光客の集客が見込めます。
マカオやシンガポールといった国は統合型リゾート施設の建設によって観光客を増加させることができました。
カジノ目的だけでなく、宿泊や娯楽目的、観光ついでに立ち寄るといった理由で訪れる人もたくさんいます。
日本においての市場規模は1兆5千億円を超えるといわれています。
通年通して集客が見込めるのも大きな魅力です。
統合型リゾート施設の建設は停滞している経済を成長させる絶好の機会であるのです。
②地域の活性化

統合型リゾート施設が誕生することにより、インフラ整備が急速に普及することも大きなメリットです。
インフラ整備が促進されれば、統合型リゾート施設を訪れる事をきっかけに日本の他の地域に足を運ぶ観光客の増加し、地域の活性化も見込めます。
③雇用機会の増加
統合型リゾート施設は地域の雇用を増加させるというメリットもあります。
統合型リゾート施設は超大型施設となり、カジノ以外にもホテルやショッピングモール、スパや映画館等を含みます。
それだけでも多くの従業員が必要です。
統合型リゾート施設が1つあるだけで、数百〜数千単位の雇用の増加が約束されるのです。
④税収の増加
統合型リゾート施設内のカジノには税金がかけられる為、観光客が増えれば増えるほど税収が増加します。
実際にマカオのように、カジノからの税収が全体の7〜8割を占めているなど、カジノを税収を柱にしている国もあるのです。
統合型リゾート(IR)のデメリット

①ギャンブル依存症の増加
カジノ法案への最大の問題点として懸念されているのが、ギャンブル依存症の増加です。
日本ではカジノ以前にパチンコ、競輪、競馬など様々なギャンブルが存在し、それらのギャンブル依存症の疑いがある人は300万〜500万にのぼると言われています。
政府もギャンブル依存症対策は重要視しており、以下のような規制をIRに取り入れています。
・入場料は1回6000円
・週の入場回数制限は3回
・月の入場回数制限は10回
・マイナンバーの提示
②治安の悪化
カジノはマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されやすいと言われています。
マネーロンダリング(資金洗浄)は、犯罪によって得られた資金を、移動・使用し、その出所を分からなくして、ふつうに使えるよう転換する行為を指します。
国内だけではなく海外からマネーロンダリングのターゲットとなってしまう可能性があるため、対策が必要とされます。
統合型リゾート(IR)は経済活性に一役買うと期待されている!
今回は統合型リゾート(IR)とカジノ法案について解説しました。
カジノ法案は停滞を続ける日本経済の起爆剤として期待されています。
カジノ法案は遅くとも2021年7月までに施行、2025年に統合型リゾート施設が開かれる見通しですが、新型コロナウイルスの影響で、予定がずれる可能性はあります。
ですがこれからの日本の活性化に必要な取り組みとされています。
様々な問題をクリアし、誰もが楽しめる統合型リゾート施設を楽しみに待ちましょう。